成田空港と羽田空港の便数の違い
2017.05.08

紺色の車東京国際空港と新東京国際空港というように、どちらがどちらなのか紛らわしい名称で呼ばれていた時代もありましたが、千葉県成田市にある空港が新東京国際空港から正式に成田国際空港と名乗るようになったことで、両者の関係は幾分かすっきりしました。通称を正式名に挿げ替えた形の成田空港に対して、東京の大田区、かつての羽田町に敷地を持つ羽田空港は、今も場所が示す通りに東京国際空港を正式名称としています。
成田空港と羽田空港は、千葉県と東京都という所在地の違いだけではなく、それぞれ国際線メインと国内線メインの空港として分けられます。国際線が八割を超える成田空港と、国内線が八割を超える羽田空港という、対称的なスタンスの上では、単純な便数の比較は利用において意味を成しません。
羽田空港は最低でも二分に一便の計算で発着させているという驚くべきデータもありますが、その大半は国内に向けられています。年間の航空機発着回数や旅客数をとっても、圧倒的に上を行くのは羽田ですが、国際線の便数では成田に大きな差をつけられており、未だ並び立つ兆しは見えません。成田の航空便は羽田より遅れて、三分に一度発着するかというペースであるものの、飛行機によって結ばれている海外の都市の数も成田に軍配が上がります。
近年の著しい訪日外国人の増加に関わり、羽田空港は現状を超える国際便の拡大を、計画していると言われます。入れ替わり立ち代わり激しく進む、余剰のない日中の時間帯の便はそのままに、早朝や深夜の始発便を増やす作戦が成功すれば、羽田空港の国際線の便数が成田空港に並ぶ日が来るかもしれません。
とはいえ成田空港も、ターミナルを増設して海外の格安航空会社の受け入れ体制を強めたりと、現状以上の便数増加を見込む算段を既に立てており、その勢いは依然として衰えを知らぬところにあります。航空機の発着場としては、成田のスペックにはまだまだ余裕が見えますから、空港が目指すビジョンは決して夢や幻ではありません。
各空港は方向性を戦わせながらも、共に便数を増やすことに前向きです。空港のそんな挑戦は、空の旅の可能性を、さらに大きく広げてくれることでしょう。
発着便拡大の流れに関連して、成田空港の駐車場の料金やサービスの見直しも、民間のものを中心に随時行われています。車を預けて飛行機に乗る、これまで当たり前のようにとられてきた行為にも、今後何らかの変化が起こることは予想されるのです。東京と千葉という、離れた地で二つの空港が抱える課題の影響は今、利用者にとって身近な所にまで迫っています。

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