成田空港第三ターミナル
2017.05.08

車の絵1978年の開港当初からある第一ターミナルに、1992年から使用されるようになった第二ターミナルと、2015年に生まれた最新の第三ターミナルが加わったのが、現在の成田空港のスタイルです。ターミナルの数は、そのまま飛行機の発着数と利用者数に比例しており、成田空港がより深くより広く、日本の航空業界に影響を与えている事実を示します。
中央のビルを挟み、北と南に翼のように展開しているのが第一ターミナルで、北と南のウイングでは対応している航空会社が異なります。基本的にターミナルは航空会社ごとで搭乗の手続きを別にし、利用客の受付を効率よく行えるように作られているものなので、第二ターミナルも第三ターミナルも、それぞれ別に担当の航空会社を持ちます。
第三ターミナルの中心は、今人気急上昇中の格安航空会社、通称LCCの発着便です。ジェットスターグループにバニラエア、春秋航空日本・スプリングジャパンにチェジュ航空の四社がそれにあたります。
元々第三ターミナルは、急増するLCCの受け入れのために追加で作られた施設と言われており、低コストのLCCに倣って、ローコストでの利用を可能にするための工夫がターミナルの随所に見られます。建築の際のデザインからコストのカットを目指したという、徹底した節制は、ターミナル設置のソファの価格にも反映されています。
もっとも空港の使用料は航空券の価格に如実に表れるものですから、第三ターミナルがそうした取り組みの元に作られた施設でなければ、利用者は現状ほど安くチケットを購入することはできません。飛行機からそれを管理する環境から、全てのコストが抑えられることにより、お得な航空券の誕生も可能になるのです。
低コストで建てられた第三ターミナルは、シンプルな内装を持つがゆえに、大きな開放感をも内部に形成します。高い天井に対して、設計上必要な柱や壁だけを残した空間は、広々として見通しの良い内観を生み出し、ターミナル内を快適なものにしてくれます。
陸上競技に使用しそうな、赤と青の線で引かれたコースが、ターミナル内の道に通して見られるのも、施設の大きな特徴です。到着の赤、出発の青と分かれるコースには案内や目的地までの距離が記されており、慣れない者にとっては迷いやすい空港内部を、逐一ガイドしてくれるという親切な心がそこにはあります。コースを外れないように歩いていけば、簡単に道に迷うことはありません。ターミナル内部には、二十四時間営業のフードコートも各種ショップが併設されており、移動のインターバルをお店の中でゆったりと消化することもできます。

▲ ページトップへ